「マレットファンの周りの輝く人」シリーズ第９回。自分の経営する動物病院の２階に本屋さんをオープンしたミントさんにお話を伺いました。
タイ北部のランパーンで動物病院を開業するミントさんは、その2階で小さな本屋さん「Little Lovely Bookshop」を開いています。扱っているのは絵本や小説など子どもの本から大人の本まで、ミントさんが良いと思う本を取り寄せて揃えています。
1階がミントさんの動物病院。愛情が詰まった小さな本屋「Little Lovely Bookshop」はその2階。
獣医さんが本屋さん⁉︎とちょっと驚きましたが、ミントさんが本屋を始めたのは、全国で書店がどんどん減っていることを危惧したため。良い本はたくさんあるのにそれらに出会える場所がなくなっていくのはとても残念なこと、本たちがもっと長く生きられるように、本たちの命を伸ばしたいという思いからでした。「本屋さんはあくまでも趣味なんですよ」と話すミントさんですが、本への熱い思いがひしひしと伝わってきます。
ミントさんの書店では本と触れ合うことを大切にしています。例えば、店の片隅に小さな絵本コーナーを設置して、本を買わなくても親が子どもに読んであげられるような環境を整えたり、ブッククラブを開いて参加者それぞれが自分の好きな本を紹介しあったりと、大人も子どもも関係なく本を楽しむ輪を広げています。
本が好きな人は大歓迎！ お店でじっくり読んでいいよとお菓子の持ち込みもOKです。1階の動物病院でもテーブルや椅子に本を置き、訪れた人たちに自由に本を手に取ってもらえるようにしています。「気に入ったら2階で売っていますので買っていただければ（笑）。でも僕から”これを読みなさい”というものはないんです。読書は強いられるものではありません。好きな本と出会えればいい。好きな本を読むのが一番いいんです」。
「本が大好きな子どもでした」
本は子どもの頃から大好きだったというミントさん。お母さんが貸本屋をやっていたため、身近に本がたくさんありました。小さい頃から「本を読んでから寝る」という習慣も身について、どんどん本が好きになっていったミントさん。一番好きな本は？と聞くと、「そうですね、ミヒャエル・エンデ作の『モモ』かな」と答えてくれました。「獣医の仕事を始めた頃に出会った本です。主人公のモモは時間を大切にしています。周囲の人たちとの関係を時間をかけて育んでいくのは大事なことだよ、そんなメッセージが込められていると感じました。獣医としてどんな風に仕事をしていくかと考えていた頃だったので、とても印象に残りました。この本のように僕のような大人も子どもも読める本は素晴らしいと思います」。
マレットファンと初めて会ったその場で、自分の暮らすランパーンでもぜひえほん展を開催してほしい！と語りかけたミントさん。自分は地域のつながりを活かしてマレットファンを迎える環境を整え、本と子どもたちを繋げる場を作ろうと考えました。そして実現したランパーンでのえほん展は子どもたちの好奇心と笑顔でいっぱい、大成功となったのです。
ランパーンで初めてのえほん展は大成功！
ミントさんの呼びかけから実現したランパーン初のえほん展。4日間で約1,000人が参加して大盛況。当県の知事さんも来場し、次回は県教育局が招待してくれることに！
ミントさんとマレットファンとの出会いは？
「チェンラーイでマレットファンのえほん展が開催される」というチラシを見つけておもしろそうだと思い、家族を連れて行ってみました。ランパーンからは車で３時間、旅行も兼ねてです（笑）。子どもにとってはほかの子どもと遊ぶいい機会にもなりますし。行ったのは最終日、ワークショップは終わっていましたが、親子が一緒に本と過ごす時間と場所が作られていてすばらしいと思いました。マレットファンの3人と喋っているうちに彼女たちが本と子どもを繋げることにすごい情熱を持っていることがわかりました。それならぜひランパーンに来てほしいとお誘いしたんです。
マレットファンの久美さんより〜「ランパーンにも来てほしい」と言われてびっくり。あれよあれよという間にミントさんは地元の教育委員会や図書館関係者や先生に話をつけてくれて、本当にランパーンでのえほん展が実現しました。ミントさんの情熱と行動力に感激しますし、こうしてえほん展の輪が広がっていくことがとてもうれしいです。
ミントさんの本屋さんを訪問したマレットファン
ミントさんのマレットファン（夢のたね）は？
大人も子どももそれぞれ大好きな本に巡りあえることです。
ミントさんの小さな本屋さん「Little lovely bookshop」FBページ →https://www.facebook.com/littlelovelybookshop/
